まさか、赤ん坊のオイラに会えるとは思っても見なかった。
眼に面影があります。
寅さんと、おふくろ
「と・ら・さ・ん」 「とらさんで・・・」
もう、10回目くらいになる。
そんなに言うなら、調達してくるとするか。
おふくろの病状は以前と変わらないのだけれど、殆ど 観ても理解していないと思われるDVDに飽きがきているらしい。 そこで何が良いかとリクエストを聞くと
「とらさん」しか言わないんだ。
しかしだよ、誓っても いまだかつて、おふくろは寅さんシリーズに興味を示したことはない。
むしろ下品だとかいって、嫌っていたと思う。
高校生の時、家族会議があって、オイラの進路について話し合いがもたれたんだ。
そのとき、オイラが 「フーテンの寅さんの様に生きていきたい」と言ったときの、オヤジの激高、オフクロの失望といったら忘れらんないよ。
もうひとつ、大学の時に何かの雑誌に寅さんの帽子、背広、カバンのセットが100万弱で売りに出ていたんだ。
オイラもう、欲しくて欲しくて、おふくろに、将来絶対に返すから、寅さんセット代100万円都合してくれ・・って頭を深々下げてお願いしたんだよ。
当然、「また、ばかなことを! あなたは!」と、
一蹴・・・・・くやしーーのーーーー。
そんなおふくろから、 何度、「とらさんで・・」といわれても、どうしても信じられなかったんだよね。
記憶が交錯して、混乱しているんだろうなんて、家族間でも翻訳されていたんだ。
試しにオイラが、『とらさんの俳優はだーれ、 ヒントは あ・つ・み』 って 問いかけるじゃない。 そうしたら 「た・だ・ひこ」だって!
『ちがうよ、 あつみ き・よ・し でしょう。 ほんとうにわかってんの・・?』
「わかってるうう」
でもね、この気におよんで やっぱり
「と・ら・さ・ん で おねが い」なんて振り絞ってくるのをみるとさすがにみかねた。
おふくろは、厳しい家に育って、成人したらすぐ結婚、子供がすぐ産まれ(オイラね)・・・ずっと忙しかった。
だから、「もしかしたら、フーテンの寅さんみたいな自由にずっと憧れて居たかも知れない」
そんなことが家族の感想になっていったんだ。
しかし寅さんシリーズ 「男はつらいよ」が、これまた古すぎるのか 有隣堂、TSUTAYA、ブックオフのどこにも置いてないんだ。 参ったよ。
そこで探し歩いて巨大BOOKOFFの川崎店にいったんだ。 そうしたら10本もあってさ、しかもオイラが1番好きな 「ハイビスカスの花」が有るではないか、
それと「かもめの歌」の2本を即買いして持って行ったんだ。
寅さんの偉大さを目の当たりにしたよ。
「たのしみに してた」「ハツ とらさん」 って話したもの。
でさ、 ながしたわけ、 そうしたら、 ストーリーはわからないんだろうけれど、
寅さんが出てくると明らかに笑った感じになるんだ。
もうぶったまげたよ。
そこで、オイラは、前出のオイラにまつわるとらさんエピソードを、持ち出して、 なんであのとき、
「あんなバナナ売りのどこがいいんです」なんて 言ったんだヨー! と軽く責めてみたのね。
そうしたら、明らかにバツがわるそうに微笑んだよ。
病室の写真がチェンジされていた。
オイラが、なんだこれ というと、
「あのときは、かわいかった」・・・と。
そう真ん中の愛くるしい赤ん坊はオイラで、
向かって右がオフクロなんだ。
オイラを抱いているのが おふくろの厳しい父さん(オイラにとってのおじいちゃん)なんだ。
寅さんと言えば シゲミツちゃんね
(いまは金沢で開業している、元リッツさくらの分院長)、
狂ったような寅さん好きだよ。
日本一の寅さんファンだとオイラは、思っている。
シゲちゃんも 飲むといつも、
「なんで、女にはあの良さがわからないか、、、」ってぶーたれてたもんね。
寅さんをつけっぱなしでこの日はゴールドジム渋谷へ向かった。
その後、妻が昼に お見舞い に来たら、
まだ寅さんを観ていたそうだ。
ついでに自分でも見入ってしまったらしい。
オイラが帰宅したら、
「寅さんっておもしろいねー。あのセリフ、深い、あの非効率的なところがスゴク 新鮮」
「ただのワンパターンの水戸黄門、人情映画だと思っていたけれど、全然違った」
「あやうく 一生寅さんを観ないで終わるところだった」と、絶賛しているんだ。
オイラや、シゲちゃんからすれば、 「何をいおまさら・・」
なんだけれど、マァヨカヨカ(^o^)
いやー 寅さん 偉大過ぎる。
こんな話、
シゲちゃんが聞いたら泪ながすね。
「ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ」
(出典 第9作 柴又慕情)
「寅さんと、おふくろ」へのコメント
SY牧場のゆーこです。大切なお話ありがとうございました。
オイラのブログは 本当に血が通っていて わたしの心です。赤ちゃんオイラ、かわいいです。
寅さんはいいです。最高です。 これは 世界に誇れる日本の魂です。 こんな形で紹介していただけるとなんとも感謝でいっぱいです。 母君、やさしさが溢れています。
一日二回 ブログ更新だなんて またイレギュラーなことを::
こういう不規則性なら大歓迎です。
おやすみなさい。 わたしも
あんな 雲 になりたい。
そね、話題の豊富さと経験量の多さ、 話の展開の小気味良さ 同じブロガーとして 羨ましく思っています。
「男はつらいよ」とは、よくできたタイトルだと当時感心したものです。帝釈天ニモよくいきました。葛飾柴又 いいところです。
女房に 「女もつらいよ」とよく言われたものです。
これもわたしは ぴしゃりの世代です。
ハイビスカスの花ー浅丘ルリ子
かもめの歌ー伊藤蘭
でもなんといっても さくらー倍賞千恵子が 最高でした。
SYのさゆりです。おはようございます。
オイラの赤ちゃんスナップを見ているだけでもう、泣きそうです。 わたしもがんばる。
読者です。ブログ読みはじめてから、自己啓発の本や、そういった関係へのセミナー参加やめました。 ブログ読んでいた方がはるかに やる気になれますし、実際、結果も出始めています。 今朝の寅さんの話で、 オイラブログの中には車寅次郎の、ユーモアが、入っていたんだと知り 私が惹かれていく理由がわかったような気がします。 本当に必要なことは、寅次郎さんが、教えてくれている気もしています。
コメントが無い時にこのブログを読んで 指が動かなかった
進学の家族会議 大学時代に店屋で見つけたい寅さんセット購入したさに お母様に 深々と頭を下げお願いしている 風景が 目の前に 浮かんで 何も出来なかった
師匠の気持ちを 高校進学会議の時から お母様は 調査されていたのではないだろうか
師匠に フーテンの寅さん的自由な生活をさせてげたかったのかもしれない だから の お願いだったし 奥様がお見舞いにいかれても 見続けておられたのだろう
奥さんも 寅さんにのめりこんで 今までの思い違いを述べられたとか
シゲミツ先生 金沢で 分かったかい何て おっしゃってるかも知れない
いま、つばめグリルです。 たのんだものが、なかなか来ない
待ち時間に読んでいます とても 温かい気持ちになれました。
確かにそれは、寅さんの偉大さの証明だと思います。 実はわたしも名前は知っていますが観たことはありません。これをチャンスととらえて観てみたいです。
ただ、感動しました。 ほかの言葉はみつけられない。
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カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2015年9月22日
涙を流したのは わたしです。 忘れられない話です。