京都と冥王星(めいおうせい)
「冥王星を殺したのは私です」という本が、オイラの京都のお伴だったんだ。
この本は2012年に日本語版が出たんだけれど、天文愛好家の間ではベストセラーで、五つ星評価だった。
当時あまりにも、メジャーになったので、オイラのアマノジャク根性が芽を吹き、手を出していなかったんだ。
で、今回、Amazonで別の本を頼むのと一緒に古本で500円でついでに、購入。
新幹線の中と、ホテルで読み切った。 もう、面白すぎる(^^)/ 過去3年間で一番面白いといっても良いくらいだ。
著者のマイク・ブラウンは世界的な天文学者で、準惑星エリスや、セドナの発見者だ。
結局、その発見がもとになり、冥王星(Pluto)が、惑星から準惑星に格下げすることになるんだけれど、
天文知識がゼロでも十分面白く読める私的ドキュメンタリー。
宇宙に向かう学者の姿、恋愛結婚で、生活が一変して、価値観が変わっていく姿、そして、またすべてに優先して「惑星探しに向かう姿」
科学者として、他の研究者に発見を先に発表されて味わう挫折感、とにかく盛りだくさんなんだ。
すべて事実だから面白い。
読んでいて、やる気が出てくる情熱の伝導すら備えた本だよ。
惑星探索に命を賭ける著者が、自分の大学院の生徒に、こう打ち明けるシーンがあるんだ。
「お手上げだ。もう十分探査した。何かあればとっくに見つけているはずだ。新しいカメラは質が悪いし、これ以上、手の打ちようがあるとは思えない」
アントニンという大学院生が「もう、絶対に見つからないという確証はあるんですか、だったら、なぜやめるんです。本当の理由はなんですか?」
ここ1年、著者、マイク・ブラウンは結婚を機に、あまり遅くならずに家に帰り、妻との時間を大切にしていた。南米で1ヶ月の新婚旅行もした。 マイクは新居も構え普通の暮らしをしていたんだよ。
天文学者である彼は、以前なら夜が明けるまで寝ることも無かったし、天文台を離れることもなかったんだ。
普通の生活に慣れてしまっていた。
本当の問題は、マイク自身にあったんだ。
「カメラのせいでも、ソフトウエアの不出来にせいでもなかった。
一番の問題は私自身が自分を甘やかして、天文学者でなく
普通の人間のように暮らすのを良しとしたことだ。私がみんなと同じように(もう惑星など太陽系にはない)と、信じようとしていたのは、今や私が「みんな」の側に行っていたのである。」
アントニンはコーヒーを飲みながら言う。
「探し続けるべきですよ、もうなにも見つからないなんてあるわけないじゃあないですか」
昔は私もおなじことを、いって人に食ってかかったもんだ。「何も見つからないなんてことが、あるわけないじゃあないか。これが太陽系の果てだなんてどうして言える。?」
しかし、この探求は、普通の生活の終止符を意味する。
そしてマイクは自分の思いを妻・ダイアンに打ち明ける。 ダイアンは私を見てニッコリ笑った。
「惑星をみつけて!」
京都ではタクシーでせっかくだからってことで、清水寺までいったけれど、あまりの人の多さに、
怖じ気づき、15分でとんぼ返り、 観光ツマンナイナー!
結局、抹茶ソフトだけ買って、ホテルで冥王星してたよ。
清水寺も遠方から見てこの観光客数、結局お寺にも入らなかった。
帰りの新幹線で食べた京都弁当は美味しかった。
「間抜けにならない方法を考える必要は無い。
賢くなるには どうするか だ」
ーーーーーーーマイク・ブラウンーーー
(冥王星を殺したのは私です より)
「京都と冥王星(めいおうせい)」へのコメント
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カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2014年7月26日
「冥王星を殺したのは私です」中々含蓄のある本ですね。
準惑星発見の結果冥王星もその仲間に入ってしまい 格落ち。
アントニンという大学院生は 凄く最適な点を突いている。
所詮 専門家は 普通の生活を送ってしまうと 普通の人の類に入ってしまい なるほど。
「みんな」の側に行っては、事は成せない
ことをなす人は 皆と同じ方向 速度で進んでいては 何も出てこない・・・・・
オイラ 今 KIDS向けの アインシュタインの翻訳本を手に入れ
ボチボチ 夏休みの宿題をするような ペースで読んでいる。
特殊相対性理論から 一般相対性理論まで説明されている
面白い 楽しい 本 アインシュタイン自信が目の前に浮かんでくる感覚です