大学一年の夏休み。
この体験をするのは今しかないとJ君は考えたのでしょう?!
思い立ったら留めておけなかったか?
勇気があるのと無謀なのは違うけど、
そこは10代! 突っ走るしかない! 心境なのでしょう!
心の 安全スイッチは完全にOFFなのか?
到達する事のが本当の目的ならば、準備不足でしょうが・・・それが目的とは思えない。
J’ PAPA!
貴方の思念がJ君に現れているのかもしれません。
挨拶に来るぐらいだから、言葉をかけて欲しかったのでしょうね!
「たどり着く事が目的なら、達成出来る事を期待してるよ!
でも慣れない自転車の旅。タイムリミットを気にして焦らないこと!無事なら後のことはどうにでもなる。
でも本当に身の危険を感じたら、PAPAに電話しろ!
すぐに駆けつけるからな。」
そう言って送り出してあげて!
世俗から離れ、何かが見つかるよ! 彼ナラキット。
探し続ける事が答えだってことも・・・
そして
彼に何かあった時は、俺も君と共に「其所」に行きます。
J君・前夜
明日から、カナダのホワイトホースというところから、バンクーバーまで、50日間・自転車の旅に出る。ホワイトホースというのは、オーロラの見れる街として有名なアラスカの隣町。
そこから、一度もホテルには泊まらず、非常に小さなテントと、これまた恐るべく簡易な寝袋で50日かけて自転車だけで行くという。食事はすべて自炊するため、飯盒とフライパンを携帯。
ここまで読むと、みんなは「あーJ君は、こういったバックパッカー的なことに慣れているんだな・・」と推測すると思う。 さて、山の中だ、天候も移り変わりやすい、店もない。道だって舗装されていないけものみち。
アルピニストの野口さんならなんてことはないだろう。 いつもは慎重すぎるほど慎重なJ君だが、
ここ一番というときに、「親譲りの無鉄砲さ」が、顔を出す。
J君は、自転車経験は小学校の時だけ。
テント経験ゼロ、
寝袋経験ゼロ、
飯盒経験ゼロだ。
そもそも、手作りのひとり旅自体初めてだという。それでは体力があるかというと、中学の時は科学部、高校の時は帰宅部、
唯一続いていたのが、小学校のときからやっている、キーキーいう、バイオリンじゃあ、いつクマに襲われても、不思議では無い。実際、グリズリーとかいう熊が、当たり前のように出没するらしい。
本人は、「自転車はマウンテンバイクだから大丈夫、寝袋は零下2度でも耐えうるって書いてあった、テントは部屋の中で一度練習した、熊よけスプレー 買った、食糧は、野草を煮る、等々・・・」・・・
J’PAPAも、さすがにビビリ、知人のアドバイスに従いGPS付きの携帯をもたせたのが精一杯だったという。
それでさえ、「携帯で助けを求めたって、来た頃には喰われているし・・」とまあ、当然至極のことを言っていた。それでJ’PAPAが、
「遺体捜索にGPSが、必要なんだ」と脅かすと、
「勝手に殺さないでよーーー」と、実に長い語尾とともに、自分の部屋にそそくさ消えていったという。
オイラも、J君のことは彼が小さい時から知っているが、基本的に温室育ちだ。「おいおい大丈夫かよ・・」というのが、オイラの率直な思い。 大学入学と同時に、「夏休み2ヶ月もあるから、行ってみたいところがあるんだ」と、公言していた。
ICU大では、元気にやっているらしい。机を取っ払って英語でディベイトする名物授業にも慣れたとのこと。 ひとクラス20人くらいらしく、大学としては珍しい。これでは、ダミー出席はできないね。
ひとり暮らしのJ君は、新学期から夏休みの間に実家に帰ってきたのは一度だけ。 よほどICUの水が合うのだろう! 文明の利器を毛嫌いしている彼は、洗濯も洗濯板でやっている。 電気は安全ロウソク、
TVなんてもちろん無い。
ちなみに学校で必要なPCは入学祝いにJ’PAPAからプレゼントされた。もちろんMac。
それでも、電気代1400円くらいはかかっていると嘆いていたよ。
6月24日には大学はその学期を終えた。
同級生の多くは、大学と提携している海外の大学に、サマースクールのような形で行くらしい。 ドイツ語圏でも、フランス語圏でも、とにかく英語圏でなくてもイイらしい。
ほー・・それはなんとも、も恵まれた環境だね。でも、グリズリー熊語圏には提携大学がなかったから、自ら探してきたってわけね!
オイラが高校時代にオーストラリアを自転車と、テントで3週間くらいでまわったときは、1週間目に、オカマ2人にキャンピングカーに拉致されたよ。 あれには参った。
なんとか愛嬌ふりまきまくり、助かったんだ。 この話を、J君にしたらさ、「そう言う趣味はないから大丈夫です!!」って、
おいおおいオイラだってそんな趣味無いって(>_<)
メルボルンについたときは、ひとの家に泊めてもらったよ。今でも、よくこんな小汚い日本人を泊めてくれたものだと、不思議に思うし、とても感謝している。 2泊させてもらって、すっかりシャワールームも真っ黒にしちゃったんだ。帰り際に「いくばくばかりかの宿賃の支払いを申し出たんだけれどね」 『おまえの、旅先でのオカマの話で、お釣りがくるよ』と言い、
旅立つオイラを見送ってくれた。
振り向くことはできなかった。一生懸命ペダルを踏んだ。
スピード出さないと
目に溜まり続ける、しずくを、振り払えなかったもの。
J君、明日からか・・いいな・・いいなー いってらっしゃい!!
「J君・前夜」へのコメント
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カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2013年7月2日
J君の今日からの軽装での一人旅。自然の美しさと 恐ろしさの両極端を体験し 誰でも成長していくのだが J君の家族にとっては 気が気ではないだろう。 親の手から離れた小鳥は 鷹や鷲などと戦いながら 一人前になっていく。 それにしても、なんだか 準備不足の感 多いにする。 J君は蛇でも サソリでも口に出来るのか? O先生なら 実践訓練でゴルゴ13の様な生き方が可能だろうがーーーー。 無事を祈るしかない今。 帰国後のJ君は凄い人物になっているだろうと期待するしかない。 親はこんなとき 何も出来ないのだ!! 子離れとは かくも むなしく 何も手助けできないことなのだろうか?