東京丸ビル優駿

優勝劣敗、そんな世の中で連勝してきた親友が今年初めから、故障しているんだ。　
常に、自ら高きに、目標を掲げて、疾走してきた親友が、首をやられた。オーバーワークと言う、巨大石がツカちゃんの身体にノシかかったんだ。
責任感・向上心どれをとっても、前を走る彼に、スピードオーバーのキップが切られたかのような一幕だ。　　仕事にも、直に影響するし、オイラも、強烈に心配していたんだ。
　
そんなツカちゃんと４ヶ月ぶりにOK牧場の会をいつもの、丸ビルで開催したんだ。　　
　もの凄く心配していたけど、「ほっつ！」わりと元気ではないか(^_^;)
　　「飲まないか？」と言う連絡があったときは、嬉しかったさ！　　いい乾杯をしたよ。　ツカちゃんの状態は、むろん本調子とはほど遠い。　それでも彼は、「今年はギャップイヤーってことでいいんだ」と自分の中で整理していたんだ。　
それに　「あれもしたい、これもしたい・・・」と意欲満々なんだよな。　なんだよ、鬱にでもなっているんじゃあないかと心配したのに、損したぜー(^_^;)！　
　初めはどう声をかけようかと思っていたんだけどさ、うっす、スーパー取り越し苦労・・・・
１分もすれば　　「永ちゃんのベスト、最高だね♪」とか、まあすぐそんな感じだ。　ツカちゃんにとって今回のことは、人生の分水嶺になっている。
意欲的に今後の未来図をちいさなジェスチャーと共に話してたよ・・。　　独特の人生観が面白いんだよなー。
　摩天楼で踊り続けているような雰囲気がオイラを刺してくるんだ。　８０歳でエベレストに登頂するヒトは稀にイルかも知れない。でも人生２００年生きたヒトはイナイ。　　一度だ、たったの一度。　逆算して、あと・・どれだけだ・・。　
だからこそ、途中で「貯め」が必要なんだ。
そこに実りの魔法がある。
　多くの人はこういうとき、終わってしまう。　体力がなくなると気力もなくなる。
そしてもう、いいや、ここまで・・。となる。
「　頭では俺は違うぞ・・」
と思っていても、いざそうなると、人間強く無いんだよな。　
ツカちゃんもいろいろ思考したという。
でも今はツライ気持ちを折りたたみ
「ギャップイヤーを謳歌しまーす」なんて言えてる。　
オイラまで凛凛となるよ。　サンキュー！！
　　実はオイラね、ツカちゃんの事で願掛けしてたんだ。　
万が一外れると、マズイｰと思って本人には伝えなかったんだけどね。

　それは本日の日本ダービー・・。　日本で一番有名なG１レース。　　ホースマンのまさに憧れだ。　競走馬の7197馬の頂上決戦だ。　
　馬に詳しくはないよ、オイラ。
せいぜい幼なじみの馬博士のイノパンに、教わる程度の知識だし。
でも生涯でディープインパクトと言う馬だけは、別格だ。　
オイラの人生に影響を与えてきた。　
いつも最後方に居て、最後の直線で全頭ゴボウヌキにして最高峰の位置に来るんだ。騎手は武豊。　
YouTubeでなんども子供にも見せたもんだよ。　
最初はビリで上等なんだってね！　
ディープが差してくるのは、最後の最後だけだから。そのシーン以外を切り取ったら単なる鈍足なダメ馬だもんな。　今でも大好きな馬だ！　　このディープの仔が今回オイラが願掛けした馬なんだ。
ディープのＤＮＡが幻を現実にする。それは、　
「キズナ」だ。ベタだけど、いい名だ。　騎手は武豊。　武豊も、ここ数年、調子わるいんだ。怪我をして、また競馬協会のもめ事の犠牲になったりで、「武豊はもうだめか？」なんて中吊りをよく小田急で見たよ。　
　　このキズナが勝ったら、ツカちゃんも克つはずだ。って、なんでか、神のお告げのように、降ってきたんだ。　　それが絆だってね。　　バックグラウンドがある、馬だから、みんなディープのこと思い出すんだろうね。　一番人気だった。
　期待され、勝つことほど難しい事は無い。
今回の東京競馬場は過去に例のない歓声が轟いた。　オイラも、TVの前で息を止めて見守ったよ。拳になっていた、手の平は・・。　
そしてファンファーレ！！！！！　　１８頭中ビリから３番手につけるキズナ・・。
先頭集団に大きく遅れをとっている。　
芝２４００メートル　・・・・ラスト直線2００メートルまでずっと、これだもの、口の中が乾くよ。
突如　ラストシーンに向かって、ある馬のタテガミが直線を猛スピードで、突き抜けてきた。　
ギャロップ・ギャロップ　　　　
　　　キタ、キター！　キズナだ！　　　　
まさにディープじゃあないかこの走りは・・。
ゴール手前で、
先頭馬エピファネイヤ（福永騎手）を、跳ぶように差した。
完璧な『ため差し』が決まった瞬間！　

　力抜けたーーーーーー！　よし、これで、２００％ツカちゃんも大丈夫だな！　　ためる期間だ・・。ギャップな時も、ギャロップな時もいろいろさ。　
　ふへー・・ーそれにしても、こういう願かけは心臓に良くないや・・。　
　　ダービーを８年ぶりに勝った武豊騎手の涙に、オイラは蜃気楼を見た。

「東京丸ビル優駿」へのコメント

カテゴリー：院長ブログ  投稿日：2013年5月26日