東西の十字路 Turkish notes 2
イスタンブール・・・そのエキゾチックな響きには、旅人の心を躍らせる魔力がある。
つい、”飛んでイスタンブール”と、オイラの世代は形容詞を付けてしまう。
『いつか忘れていった、こんなジダンな空箱・・♪』
ヨーロッパの果て、そしてアジアの終着点。なにより、古来より歴史と文化の檜舞台、東と西が交差する交通の要衝だった。
ビザンチン、オスマントルコと何百年もの間、世界を席巻する大帝国の首都であり続けたこの地で出会うのは、6本のミナレットがそびえる灰色のモスク、青く輝くボラフォラス海峡、バザールの喧噪とアザーンの祈り・・・・・・・ここは紛れもなく、時空を越えた永遠の都だった。
世界史に無縁だったオイラは去年一年ぴったり学んだ。この地に立った時ほど、「あー、学んで、よかったー」って思った瞬間は無かったよ!
ただのもの珍しさだけでなくその沿革がオイラに注ぎ込まれる。
イスタンブールは旧市街そのものが世界遺産なんだ。360°世界遺産というわけだ。 華麗な世界遺産、洗練された美食(トルコ料理は世界三大料理のひとつ)、
バザールのトウキョウを遙かに凌ぐ活気・・。
アジアとヨーロッパの歴史が凝縮されている街がイスタンブールだ。 さて、実はイスラム圏というのは、オイラ達からすると、なかなか厄介な問題もあるんだ。
まず服装なんだけどね。宗教上の理由から、肌は露出できないんだ。半袖、短パンなんて以ての外、世界遺産の建物にも、こう言う人はお断りってポスターになってるくらいだ。 そしてアルコールも飲めない事になっている。 但し、トルコの場合は、宗教と政治が分離しているイスラム圏では希有な国。なので、
国の方針として、旅行者のオイラは、問題なく飲めた。ホッツ!
それでも、夜のスポットみたいなのは存在しないので8時すぎには死の街になる・・なーんてアルズさんが、言ってたよ。
それに日に5回も、お祈りがあるので、何処にいても、お祈りの声が、聞こえてくるんだよね。 無論、おいらには全く理解出来ない内容。 それじゃあ、残念と言う事で、
コーランが売っていたので、じゃあ買おうかとも思ったけれど、そもそもアラビア語で書かれていて挫折・・ それに世界遺産の建物の中に入ろうとしても、ランマダ月、いわゆる断食の時期にかかるとアウトなんだ。イスラム圏では金曜が最大の休息日なので、ここもアウト。
日本人の感覚を持ち込むと、通用しないことが多いんだ。 まあ郷にはいったら郷に従えだからね。 あと写真、人物撮影の場合、女性などは酷く写真を撮られるのを嫌うので、要注意との事前通知、ジャーナリスト・オイラとしては、痛いところだった。
現地で、世話になったのは、ガイドのアルズさん。日本語ペラペラ。アンカラ大学の日本語科を出たとのこと。
言われているように、トルコは大変な親日国家! 何処かの国とは違い、旅行者ですらかなり歓迎される。 多くの人が片言の日本語を話すんだよ。
あれにはホントにビックリしたね! コンニチワーニッポン、サイコーなんて声がかかるんだよ!
トルコでは大学も少なく、ハイスクールを卒業しても、大学に行けるのは16%程度らしんだ。しかも留年という制度もなく、その場合、即、退学になるという。次の人が控えているからだって。
トルコの首都アンカラなので(イスタンブールは最大の商業都市だが首都ではない)アンカラ大学と言えば、東大みたいなものだ。
アルズさんの話、とっても知的で面白かったョ。これは「聖なる叡智の聖堂」を意味する気高く赤い
アヤソフイア・・。
オイラも一歩、この中に足を踏み入れたとたん、その荘厳な空間に飲み込まれそうになったよ。
そして広場を挟んでその対面に建つ、ブルーモスク。 正式名は、スルタンアフメット・ジャミーなんだけど、内部に使われている、青いイズニック・タイルとそれを引き立てるステンドグラスが美し過ぎて。通称ブルーモスクって言われているんだ。
イスタンブールを象徴するのがチューリップ! チューリップの花は三週の命。 イスラムの世界では、人間の一生も宇宙から見れば3週間くらいなもの、儚さ(はかなさ)の象徴でもあり、喜びの象徴でもあるとのことだ。
こっちのチューリップは、大きく咲くんだよね。
初めチューリップだと気づかなかったくらい。
「マイ、フォト、プリーズ」なんて子供がよってきて、握手を求められた。
なぜか、今度は英語だ??
ん!オイラは、人気者??
写真を撮ったら、サンキューだってさ! なんなんだ・・ オイラもトルコ語で「ティッシュクレ」(ありがとう)って返しておいたけど・・・
なんだ、 無邪気だな・・
写真も平気じゃんねー!
子供は、何処の国でも、どんな宗教圏でも、 純粋に可愛いね!
この子達に残さなくてならないのは、決して物質的なモノだけではないんだ。
まさにユネスコの設立精神に通じる。
オトナになることが、どう言うことかを教えてくれるのは、オトナじゃあない。 自分より遙かに年下の世界中の子供だ。
「東西の十字路 Turkish notes 2」へのコメント
コメントを残す
カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2013年4月3日
『Turkish notes 2』は、我々と同じアジア地域の民族 でも 全く違う事が師匠のレポートで実感。 生活の原点が未だにしっかりと根ざしていると云う印象を受けました。歴史上色んな経験を強いられた国なんだろうけれども そこに住む人たちは 大地に根ざした自国の長い歴史上の一員として生活している様子がヒシヒシと伝わってくる 今回のブログ。子供達から教えられる事って多いのに 日本じゃ中々気付かない 大人の一人になっている事を 最後の一節でガツーンとボデイーブローを食らったね。 汚れていない綺麗な心は何時の年代になってもキープしたいもんだ。
いい話 有難う。 忙しい中で書かれた情報しっかり受け取りました。 睡眠は、人間にとってだいじな 仕事 身体も少し休ませてあげてください。 歴史の勉強は出来るだけ現地で受けるほうが身につくよ。日本史だって 出雲大社 伊勢神宮 鎌倉八幡 現地で物を見ながら話を聴くと興味と理解度が物凄く違う。科学も同じかな? 真夜中発信のブログ 物書きを志した師匠にとっては 筆が止まらなかったのかも。