師匠の職業は 『一流の歯科医』 でもあり 優れた 審美眼の持主でもある。
残念ながら パーマンのように風呂敷を背中に空中を飛ぶことだけはいまだに 実現していないが。
フムフムと師匠の絵に対する解説を読むだけのオイラだけれど 楽しいね。
オイラの考えは 画家が描きたい対象物を 本人の心の中で昇華させ 美の世界を広げていくから 作家と同類に分類しているのだけれども。
師匠のブログの愛読者の幅が広がっていく 内容が良いからかな?
『魂の致命的な敵は、毎日の消耗にある。』
これは事実。真実だと思う。いつまでも 時代を超えて、精彩の光を放つそんなものに出会える オイラはものすごく幸せなのかもしれない。
ムンクさんの伝言
1994年2月ノルウエーのオスロ国立美術館で絵画の盗難事件が発生したんだ。盗まれたのは、ノルウエーが世界に誇るエドワド・ムンクの傑作『叫び』 だった。
盗まれたムンクの『叫び』さーて、 この絵には真贋を見極める決め手と成った、
ちょっと変わった特徴があるんだ。 その特徴とは
1,絵に独特の匂いがある。
2,絵に特徴的な汚れがある。
3,絵を特殊な紙に描いている。
さーどれでしょーーーー?????
オスロ警察の必死の努力にもかかわらず、盗まれた絵の、手がかりは
全く掴めないんだ。 そこで
美術品盗難事件の
プロ集団、イギリスのスコットランドヤードの国際組織犯罪美術品骨董科に捜査協力を依頼したんだ。
ここで、スコットランドヤードはバイヤーに扮して、おとり捜査を実行。
そのワナに犯人がかかった。
ここで、一番肝心な事、それは、その絵が、本物かどうか見極めることだ。
なんせムンクは叫びだけでも、4枚描いている。
そのうちの一枚が先日のサザビーズの96億円のやつだね。
しかも他にも似たような絵も描いているし、
右の作品はムンクの「絶望」という作品。 似ているよね・・ とにかく真似しやすいんだ。
ところで、
ムンクの「叫び」は 「ムンクの叫び」ではないよ。叫んでいるのは自然の大地で、
耳を塞いでいるのが、ムンクってわけだ。 空間のオレンジは溶岩だとも言われているだ。
作品は、本物なのか、贋作なのか・・・・!!!!
そこで決め手となったのは、
2,絵に特徴的な汚れがある・・・ってところだったんだ。
この時の汚れの正体はロウだった。
「叫び」にはこのロウの汚れがついていて汚れまで本物と同じようにはつけれない・・とのことで、
これが真贋を見極める決め手となったってわけなんだ。
でも、みんな不思議に思うでしょー? 「なんで絵にロウがついているのか? なんでそのままなのか?」
ムンクはね、すべての自分の作品を、ワザと汚し、キズをつけていたんだ。
彼は生前この行為を「荒療治」と言っていた。
上の絵ははムンクの22歳の時の作品で「病める子」・・ここにも無数のキズがついているんだ。
この絵のモデルはね、、、彼が5歳の時に亡くなった母ラウラと、14歳のときに病でこの世を去った、
姉、ソフイーなんだ。
この二人の愛する女性の死が、ムンクの心を深くエグル。
そして病弱だったムンク自身、死の影に怯えながら育ったんだ。これが 『生と死』と、いうムンクの生涯のテーマの出発点になった。
それにしても、なぜムンクは自分の大切な作品をキズつけてしまったのだろうか?
このことについてムンクはこう日記に書き残している。 『何度も描き直すうちに、キャンバスにはキズやヒビ、思わぬ汚れがついていく。しかしこれらのキズや汚れこそ、絵にひとつの命を与えている基幹なのだ』・・と。
生涯結婚しなかったムンクは、自分の作品を「我が子」と呼んだ。
魂の致命的な敵は、毎日の消耗にある。
孤高の画家は、「我が子」達に、
生と死を超えた永遠の命を与え、今尚、精彩の光を放つ・・・・
オイラは『叫び』の話題になると、決まってこのエピソードが回想する・・
「ムンクさんの伝言」へのコメント
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カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2012年5月8日
コンニチワ!横浜市内の F女学院高校美術部の未来です。担任の先生の薦めで オイラブログを読むようになって半年程です。 私は美術部なので、前回に引き続き、美術関係のトピックは、とても嬉しいです。エルミタージユ展にも、部員全員が行きました。
一度、オイラさんにコメントしてみよーよ。って事になりまして、勇気を出して投稿してみましたー。これからも、美術や、世界遺産関係を、いーぱい お話、してくださいね 楽しみにしています。