ガンバリズム
ちびっこのクライアントのシゲちゃんと言ったら、なかなかの「男」なんだ。まだ7歳なんだけど、前述の通り、年齢は単なるナンバーでしかないので、どんなに若く幼くても、「熱くイッテル」者は、ちょっと違うね!
シゲちゃんは、柔道家なんだよ。
『この年齢では湘南地区敵無し』 週に6日、一日何時間も練習しているんだって。 見た感じも、おっとりしているし、性格も温厚だから、どうみても、そんな猛者にはみえないんだけど、彼は強い。とてつもなく強い。 シゲちゃん、ガンバッテイルンだ!!!
実際、オイラもね、シゲちゃんに 「投げる途中まで、技かけてみてよ」って言ったラサ、あっという間に、オイラのフトコロに入られて、
“背負い投げ”でなげられちゃう寸前だったよ。
それを見て、笑っていた、クリニックのキャスト達、3名ほども、同じ体験をして、「無理無理・・投げられる・・」って、それはそれは驚嘆してたんだ。
横から、シゲちゃんのお父さんが、「シゲ、本当に投げるなよ!!」
なんて勧告しちゃってる有様ね!
「こんなに強ければ、学校でもボスでしょう?」みたいな話をふったら、「女の子には弱い」みたいな可愛いこと言うんだよね! 優しい子なんだ。そして、 透明な目を持った、逞しい男なんだ!
オイラが、シゲちゃんに逢うと、特別に嬉しくなるのは、理由があるだよ。
シゲちゃんの、お父さんは、Fちゃんと言ってオイラの小学校の時に
とても、仲良かった同級生なんだ。 よく、放課後、Fちゃんの家に遊びに行ってたんだ。
Fちゃんの家に泊まりに行ったときのことはよく覚えているし、その時ね、
Fちゃんと、Fちゃんのお父さんと一緒に見たTVが「タランチョラ」っていうクモの怪物の話だったのも未だに忘れない。
そして、 なんと言っても、オイラがFちゃんの家に、行く一番の楽しみは、Fちゃんの父さんと、将棋を指すことだったよ。
Fちゃんも上手だったけど、父さんの方は、もう
雲の上の存在である強さ。
オイラには「神の一手」としか思えない一手を、ずばっと打ってくるんだ。
今でも、羽生名人より、Fちゃんのお父さんの方が、オイラにとっては上の存在だよ。
飛車・角落ちでも全く歯が立たなかった。
でも、あの縁側で、「今日もよろしくお願いします」
『あー,きどくん、こちらこそ、よろしく』 って
対等にオイラのことを扱ってくれていた。
将棋の四角い盤の前では、年齢も、社会経験も関係無い、なんというか、「すごく、大切な時間があった」 。
だからこそ、オイラの心に今もイキイキとあの時の記憶が住んで居るんだと思うンだ。 一度も勝てなかった、でも、何回か、相手をしてもらっていると 「うーん、そう来たか!!」とか、言ってくれるようになって、
それだけで、オイラはもう、とてもとてもうれしくてさ・・
分が悪いのは、最初っからわかっていること。小学生のオイラだってそれくらいはわかった。でも、
[分が悪いからって、大国に背を向けていったら、小国はいつまでも小国のまま
だ。 それじゃあ、永久にオイラは小学生レベルの小国の将棋打ちだ]、みたいな、気持ちがあった。
もう、大夫前に、天国へ行ってしまったFちゃんの父さんは、そんなオイラを、
包むように、対等に見てくれた。小国を相手にしてくれたんだ。
ありがたいよ・・・ 宝の経験だった。
Fちゃんのお父さんは、オイラが投了し、悔しがっていると、
必ず、「また、来なさい!」って言ってくれてた。
それは今にして思えば、『君は、この先何度でも転ぶだろう。でも、その都度に立ち上がる強さを持つんだよ』
って教えてくれていたんだって感じる。
天国から、 孫であるシゲちゃんの今の、雄志を、誰よりも、喜んでいるンだと思うよ。
シゲちゃんは、きっと立派な選手になるよ。 だって あの父ちゃんの血を直系でひいているんだもの。
オイラからも、[お孫さん、走ってますよ・・]
って伝えさせてもらいたいさ。”あー、是非伝えたいなー”
妥協してたら、それなりのものしか手に入らない。
ガンバリズム、全開だな、シゲちゃん!!
Fちゃんの父ちゃんは、
きっと シゲちゃんが、投げられても、
天国から、見守り、そして、 囁いているよ。
「立ちなさい」 『また、 来なさい!!』 って・・・・!
「ガンバリズム」へのコメント
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カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2012年2月24日
大会で1番になれるような人は シゲちゃんもそうだけど凄く努力しているシッカリモノ 1週間に6日 一日何時間も練習している 師匠の言葉を借りれば、「熱くイッテル」者しか、そんなレベルには行けないと思うよ。 師匠の小学校の同級生のお子さんだとか。 師匠もシゲちゃんのおじいさんに 小学校の頃将棋を指しに 遊びに行って 神のような存在のおじいさんに対等に相手にしてもらった経験は計り知れない宝物になっているのだろうね。 子供だからといって、手抜きをするのではなく負けて帰る師匠に 『また、来なさい』といってくれたのは 真剣に相手にしてもらっているから 『よし!今度は』という、前進し胸を借りる気持ち 勝つための 方法を考える機会をつくってくれたとおもう。 昔の人たちは この様な姿勢で接して 自分の子供でなくても 生き方を教えてくれていたんではないだろうか? オイラたち そんな態度で今の子供たちに接しているのかと このブログで シゲちゃんの話で考えさせられるよ。 あまり、他人の子とかかわりにならない 今の世の中。