ルノワールは無邪気に微笑む
先週の ピアニストに続き、今日は画家・千住博さんに出演してもらうね・・千住博さんは、 現代・日本画・のエースだ。 千住3兄弟の長男。 オイラと同じAB型ね!
もともと、オイラは企業家を尊敬するように思われているけど 芸術家はそれ以上に もう 感嘆してしまう! 創造する人が好きで、オイラ自身そうありたいもの・・
千住さんは、『宇宙と交信した。これぞ芸術の出発点であり、到達点である』 と言い切る。
オイラにとって 何か,する時にはBGM♪は不可欠なんだけど、このオイラ・ブログを書いている今は 千住博さんの妹のヴァイオリニスト 千住真理子さんを、流して コーヒー飲みながら 書いてる・・えへ、最高のシチュエーションでしょう^^!?
タイトルの ルノワールは千住さんが近代西洋美術のベストワンにあげるほど好きだからということで、本のタイトルにもなっているのでここから、登場ね。
そんな千住さんが 絶対絶命のピンチに見舞われた。 今日の話は、とっておきなんだ。 オイラ自身ピンチがやってくると、必ずこのとっておきの話を、思い出しているんだ。 長いんだけど、付き合って!! なんせ、とておきなんだから(^_-)-☆
1995年ヴェネチア・ビエンナーレ創立100周年、20世紀西洋美術の集大成のコンクールでのこと。
千住さんの渾身の作品に会場を、修復工事している 美術作業員のミスで 1000度のコールタールが、飛び散って、引っ付いてしまったのだ。 まさに、悲劇・・・あまりにも気の毒だよ。
しかも 発表3日前の出来事。 「このままでは 作品が燃えてしまう」 そう思う間もなく 千住さんは反射的に左手で、1000度のコールタールをわしづかみにしてはがし始めていたというんだ。
手の皮は溶け、肉は露出、当然病院送りだよ。 関係者は 主催者に猛烈に抗議すると、怒り狂ってたらしい。
それはそうだよね、この日のために日本画家千住博 全身全霊を注ぎこんでやってきたんだもの。 千住さんは瀕死の作品を目にして守れなくて、本当にすまなく思ったんだ。許して欲しいって作品に心から詫びたんだよ。 作業員を、責めたって何も生まれはしない。それに そんな時間は無いんだ。 正念場だ、 ここで、前に出ろ!
そして 修復不可能を前提でも、その時点から一人で、修復作業にとりかかったんだ。 千住さんは 自分の作品を信じた。こんなことでダメになっていいはずはないと。 ここまでこぎつけるのに どれほど 大変だったか、・・・必ず直せる。 信じてやるしかなかった。日本画を信じた。強靭な和紙の、底力を信じ、天然絵具の被覆力を信じた。 早朝から深夜まで 三日三晩その作業は続いた。
そのすべてが 、この日のための訓練だったんだとさえ感じていた。人生に無駄はないなと、
『寿命が10年 縮んでも、構わない。 神様、 僕の味方について、この絵をせめて、人に見せられるようにだけでもして欲しい。それだけが、願いだ。もはや 命より作品だ。」 と、心から願い続け、修復を、続けたのだ。
ヴェネチア・ピエンナーレの賞は、西洋美術の根幹中根幹で、しかも、 100周年の記念の賞。 東洋人が獲るなどということは、万に一つもあり得ないことだ。
賞の発表、 呼びあげられた・・「 ミスター ヒロシ・センジュ」 千住さんは まさか、そんなこと あるわけがない 。 夢のまた、 夢か・・ (左図・・受賞作・・ザ・フォール)
出立ちも さっきまで修復を続けていた 汚れたジーンズにスニーカー とても 表彰台に登る格好ではなかった。 大統領の前で 行われた表彰式で、千住さんは 賞状を無意識のうちに 高々と頭上に持ち上げ 天を仰いでいた。
この賞は 芸術の女神から与えられたものだ。ありがとうありがとう。涙で 前は見えない・・・
「 一流というのは、誰でもなろうと思えばなれる、 だけど 超一流というのは、違うんだ。
それは ”神話”をもっているかどうかなんだ」
きっと、そのとき ルノワールが 画家・千住博に 無邪気に、微笑んだことだろう!
ピンチは 小さいもの、大きいもの オイラにも おかげさまで 毎日、やってくるよ。
でも、 千住さんほどじゃあないさ、超えられるさ! 1000度のコールタールにビビってる場合かよ!xxx
1000度のコールタールを、わしづかみにして、 自分のやってきたことを信じきった、千住さん シビレル・・
『超・一流だ』 ・・・。一番必要な事それは、 自分を信じる力と 信じたことを、実行する勇気だ!
カテゴリー:院長ブログ 投稿日:2009年11月8日